三隅佳子さん

1主な活動内容は何ですか?

認定NPO法人国連ウィメン日本協会副理事長と北九州会長を務めています。国連ウィメン日本協会は、ジェンダー平等と女性のエンパワーメント推進のための国連機関である、「UN Women」を支援する日本で唯一の団体です。「UN Women」の理念を広く社会に広報すると共に、関係機関等に支援を働きかけたり、民間の募金を集めたりする役割を担っています。国際協力と男女共同参画社会の形成の促進を図る活動に寄与することを目的として活動しており、主にSDGs17の目標の5「ジェンダー平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る」活動をしています。

2活動を始めたきっかけは何ですか?

PTA活動をする中で、同和問題に触れ、人権問題に関心を持ちました。そして、「小倉小中学校母の会」に学校の代表として参加し、お母さん方の熱心な活動に接し、その活動にのめりこみました。母の会の事務局長だった1975年が国際婦人年となり、国際婦人年世界会議が世界133ヵ国の代表によってメキシコシティで開催され、「ジェンダー平等と開発と平和」の達成が世界の目標となったのです。以後、国際社会や各国ではジェンダー平等の達成のため様々な動きがなされていますが、まだまだ達成されていないと感じ今の活動を始めるきっかけになりました。その後、北九州市の男女共同参画推進を担当するようになり、一層活動を推進してきました。退職後もNGOで活動しています。

3活動の魅力は何ですか?

女性自身も教育を受けるようになり、働く中で「喜び・楽しみ・達成感」を味わい働く魅力を感じ、自分自身で社会的に一人前になり、力を発揮したいと思う女性が増えたと思います。そのような人が増えることがとても嬉しく、魅力だと思います。また、企業や行政という組織に入り、自らの地位が向上していくにつれて影響する範囲が大きくなります。リーダーとして、組織の目標を定め成功に導いた時の喜びもまた魅力だと感じています。また、何よりも仲間とのきずなが喜びであり魅力です。

4今後の展望は何ですか?

「男性はこうであるとか、女性はこうである」といった固定的な意識や社会の仕組みを変えていかなければならないと思います。 ジェンダー平等はこれから男女問わず一緒になって取り組むべき課題だと思います。必ず、将来そうなっていくと確信しています。その方が、皆が幸せになるからです。

5三隅さんは北九州ESD協議会の顧問もされていますが、北九州ESD協議会設立について教えてください。

2003年に全国15ヵ所で開催されたESDに関する地域規模のミーティングが北九州市でも開催されました。北九州市では、当時私が理事を務めていたKFAW((略)アジア女性交流・研究フォーラム)も参加し、その後にESD-J(※ESD- J…持続可能な開発のための教育の10年推進会議として発足)が発足しKFAWも参加しました。また、2005年にESDの拠点RCE(※RCE…ESDを地域で実現していくための拠点)が国連大学で認定されることになり、ジェンダー平等や環境福祉に関する様々な取り組みが行われていた北九州市もRCEになるのに相応しいと、女性たちが声をあげ、RCE認定に向けて動きだしました。そして、RCE認定には申請母体となる組織が必要であったため、(財)アジア女性交流・研究フォーラムで事務局の役割を担い、産・学・官・民の協働による北九州ESD協議会が2006年9月に発足しました。2006年12月に「RCE北九州」が認定され(日本で4番目)今日に至っています。

6読者へ、これからESD推進する活動を始めてもらうためにメッセージをお願いします!

自分たちや将来世代の人たちが幸せに暮らしていくにはどうしたらいいかを考える視点を持ってほしいと思います。ただ個人の幸せだけでなく、社会の発展や平和の役に立つことに対し、自分もどこかで関りを持ちみんなが幸せである社会、即ち「持続可能な社会づくり」の一員なってほしいと思います。北九州アクションプラン2015―2019のスローガンは“自分を変え、まちを変え、未来を変えていく、北九州ESD”となっています。自国だけでなく、他国のことも考え国際社会も見据えてほしいです。それが、自らの達成感や生きがいや人間としての幅広さにも繋がると思います。

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